
The Museum of Modern Art (MoMA)
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場所: ニューヨーク州ニューヨーク( NewYork, NY)
概要:ニューヨーク近代美術館(MoMA/モマ)は、マンハッタン・ミッドタウンに位置する、世界を代表する近現代美術館です。1929年に設立されて以来、絵画、彫刻、写真、デザイン、建築、映像、パフォーマンスなど、多様な分野にわたる作品を収蔵・展示し、常に時代の最先端を紹介してきました。ファン・ゴッホの《星月夜》やピカソの《アヴィニョンの娘たち》、ウォーホルの《キャンベル・スープ・缶》など、誰もが知る名作が並ぶ常設展示に加え、企画展も充実しており、訪れるたびに新たな発見があります。2019年の大規模リニューアルにより展示空間が拡張され、より多くの視点から現代美術を楽しめるようになりました。併設されたMoMA Design Storeも人気で、アートとデザインを日常に取り入れる楽しさを感じられる場所として、世界中のアートファンに愛されています。
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「今も昔も、ニューヨークへ行く人が最初に訪れる美術館はMoMAだ。」――誰かがそう言っていた。
残念ながら、私たちはその“誰かのセリフ”とは違っていた。
前日にメトロポリタン美術館(MET)を訪れていたので、ここは私たちにとって二番目の美術館となる。
私たちがMoMAを訪れたのは、ルソーの《夢》を見るためだった。
セザンヌやルソーを知り、その作品に触れることは、単なる“美術館鑑賞”以上の意味を持っている。
さらに、原田マハ氏の小説『楽園のカンヴァス』を読んだ者にとって、ニューヨークを訪れる機会があるなら、MoMAに行かずに済ませるなんて到底無理な話だ。
そういうわけで、大きな期待とワクワクを胸に、憧れのMoMAに到着した。
館内には世界中から集まった人々が入り乱れ、どこの国とも知れない言語が飛び交っている。超有名画家の作品の前には、いつも人だかりができていた。
けれど不思議なことに、私たちが特に惹かれるセザンヌやルソーの絵の前では、立ち止まる人は少なく、おかげでじっくり、ゆっくりと鑑賞することができた。
「あれ、おかしいな……」と思い始めたのは、ピカソの作品をたっぷり堪能したあとだった。
そろそろ目的のルソー《夢》があってもよさそうなのに、どこを探しても見当たらない。
そこでRyoが展示場所を確認してみると、驚愕の事実が判明した。
――現在、展示休止中。
どれほど打ちのめされたことか。あまりのショックに、しばらくは気落ちしてしまった。
落ち込む私の横で、Ryoは冷静に、いつものセリフを口にした。
「やっぱりさ、いつまでもそこにあると思うな、だな。」
見たい作品が見られなかった悔しさは残りつつも、その後の展示があまりにも素晴らしく、私たちは“ニューヨークに来た人が最初に訪れる美術館”であるMoMAを、しっかりと堪能することができた。
有名絵画を背景にセルフィーを撮るのに夢中な人々は、そのままギフトショップにも長蛇の列を作っていた。
私たちもその列に混ざって、いくつかMoMAグッズを購入した。
――くやしいけれど、やっぱりデザインはどれもこれも秀逸だった。