
University of California, Berkeley
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場所: カリフォルニア州バークリー(Berkeley,CA)
概要:UC Berkeley(カリフォルニア大学バークレバークリーー校)は、アメリカで最も歴史と伝統を誇る名門大学の一つとして知られ、1868年に創立されました。そのキャンパスは、学術的な優秀さを誇るとともに、1960年代の学生運動をはじめとした社会的・政治的な活動の中心地でもありました。バークリーは、自由な精神と挑戦的な思想を体現する場所として、世界中の学び舎に多大な影響を与えてきました。
その自由で進歩的な精神は、カルチャーシーンにも大きな影響を与えました。特に、サブカルチャーの象徴として、音楽やアート、ファッションの世界においても重要な役割を果たし、学生たちが身に着けるロゴTシャツやスウェットシャツは、大学のファッションシーンに留まらず、誇りと反骨心を象徴するアイテムとなっています。
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Cal Student Store(学生生協とはあえて言わない)の入り口の扉は、とてもかわいらしい。すべてに熊のモチーフがデコレーションされていて、思わず笑みがこぼれる。
そのかわいい扉を、勢いよく開けようとしたその瞬間――ロックがかかっていた。
バツの悪さをごまかすように、Ryoは妙に気取った仕草で立ち尽くしている。まわりでは、多くの学生たちが足早に行き交っている。
「おかしいな、入り口はここじゃないのか?」
そう呟きながら、学生たちの流れに身をまかせ、皆が吸い込まれていく方向へ。そこで再び、勢いよく扉を開けようとすると――
またもや、シャリッという音とともに、開かない扉がわずかに揺れた。
「あれ? あれ?」と慌てる私たちを不憫に思ったのか、ひとりの学生が中から扉を開けてくれた。
「ああ、ありがとう」中に入ってみると、ちょうど昼時。食事のいい香りが漂っている。
「さあ、Student Storeに行こう」と歩き出したそのとき、ようやく気づいた。
ここが目的のストアではなく、学生自治組織が運営する学生会館だったということに。学生証を持っていない者は本来立ち入る事ができない場所だということに。
ぐるりと建物を一周した先に、本当の入り口があったのだ。
でも、まあいい。アメリカの大学にはいろいろな年齢層の学生がいるし、私たちもきっとそれほど違和感はなかったはず――と、自分たちに言い聞かせる。
ようやく辿り着いた本物のStudent Store。思う存分ショッピングを楽しみ、レジで並んでいるとき、ふと気がついた。
前回、イェール大学のStudent Storeでは、「あなたはここの学生ですか? 学割がありますが」と聞かれた。今回は、それを聞かれなかった。
つまり――どう見ても、私たちは学生には見えなかったということ。
先ほどまで学生会館をうろうろしていた私たちは、
完全に“ちょっと不思議な人たち”として確定した瞬間だった。